株式会社湯原製作所様
さくら市の郊外にある湯原製作所様に伺いました。いつもながら掃除の行き届いた事務所にあがりました。
自動車向けの部品を製造されている会社です。1997年には米国に、2013年にはタイにと、海外展開にも積極的な活躍をされています。
マテハンソフトでは、MS-DOSのころから生産管理のお手伝いをさせていただいています。生産計画の展開から、受入カードと呼ばれる素材の発注伝票の発行、作業カードと呼ばれる作業指示書の発行を行い、受払と作業進捗を現場に設置したPCで行っています。
システムを担当されているのは吉原様と佐藤様で、自社開発された機能も多岐にわたり、現場にフィットした、まさにかゆい所に手の届くシステムを構築されています。
日々進歩を重ねているシステムなので、導入前と導入後のような、目に見えた変化は、返ってはっきりしないようでしたが、御苦労話もからめながら、吉原様にお話を伺いました。
(株)湯原製作所 本社
(株)湯原製作所 蒲須坂工場
今のシステムの状況についてお聞かせ願えますか
協力工場からの素材の受入カードの受入処理、それに、主に表面処理の外作工程の処理は、ハンディターミナルを使って受払を登録しています。
工場内では、9台のPCで進捗状況を登録してもらっています。これにより、材料と仕掛品、製品については、進捗状況と在庫数が充分把握できる状態になっています。
お得意先からのインフォメーションや確定受注情報は、日々展開されて、都度計画データが更新されています。確定受注が来ると、納品は翌日や翌々日になりますので、在庫に余裕を持ちたいところですが、可能な範囲内で在庫が膨らまないようにコントロールしています。
何か手がけていることはありますか
当然、計画値を超えた確定受注はあります。場合によっては特急扱いで生産してもらいますが、どの品番を後回しにできるかを把握できていれば、何とか回しています。
現在では、品番を指定すると、関連する仕掛品の進捗や在庫状況が一目で分かるようになっていますので、大きなトラブルは回避できています。
今のシステムの状況についてお聞かせ願えますか
現場の登録端末を全てのラインに1台づつ持たせようと、専用現場端末を企画したことがありました。単にバーコードの読み取りと完成数の登録だけなので安価な端末の導入を考えたことがあります。
海外拠点の立上げなどで忙しくなって、未完に終わってしまいましたが、今ならタブレットなどを使うこともできそうなので、落ち着いたら再挑戦しようかと考えています。
海外2拠点のシステムについて、お伺いできますか
アメリカの工場では、サーバーは置かず、データは本社のサーバーで運用しています。すべてリモートで管理できますので、現地にシステム要員は置いていません。
企業によっては、現地のシステムがうまく機能しないという話も聞きますが、全て本社で対応することで、逆にトラブルが少ないのかも知れません。中途半端に現地に対応を任せるよりも、返ってコントロールが楽かも知れませんね。
タイの拠点にはサーバーを設置しています。これはネットの状況に不安定な部分があって、全てをリモート環境で運用するのに不安要素があったためです。しかしサーバー自体の管理は本社からリモートで行っていますので、こちらも同様に現地にはシステム要員は置いていません。
ネット環境が整備されてきたからできることであって、便利な時代になったものだとつくづく思いますね。
最後に今後の課題について、お話いただけますか
さまざまなデバイスやツールがありますので、あったら便利だろうなという仕組みはそれなりに、アイデアとして提案されます。とくに外回りの営業パーソンへのタイムリーな情報提供については、これからも取り組むべき課題と思っています。
しかし、リモートで社内サーバーにアクセスする仕組みはありますし、どこにいてもメールが利用できる環境が整っているので、時々しか使わない機能を、あえてシステム化する積極的な理由が見つからないでいます。代替手段がいくらでもありますからね。
ただ、やりたいこととアイデアはたくさんありますので、できるものから解決していれば、おのずと進むべき道の焦点が絞られてくるとは思っていますが。